固定資産税評価額の審査制度・取消訴訟制度について

固定資産評価審査制度とは

固定資産税評価額(固定資産課税台帳に登録された価格)について不服がある場合は、固定資産課税台帳に価格などを登録した旨を公示した日から、納税通知書を受け取った日の翌日から起算して60日以内(ただし、公示した日以後に価格の決定または修正があったときは、その通知書を受け取った日から60日以内)に、地方自治体の固定資産評価審査委員会に審査の申出をすることができます。

これを固定資産評価審査制度と言います。

ただ、固定資産評価審査委員会は、固定資産税評価額を決定した地方自治体の組織であるため、納税者側の主張が通ることは、明確かつ争いようのない場合を除き、あまり期待できません。

そこで、固定資産評価審査の取消訴訟の制度があります。

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固定資産評価審査取消訴訟とは

すなわち、地方自治体の固定資産評価審査委員会の決定に不服があるときは、決定書の謄本を受け取った日の翌日から起算して6ヶ月以内に、裁判所に対して、地方自治体を被告として取消訴訟を提起することができます。

これは、行政事件訴訟法に基づく行政訴訟であり、通常の裁判所に手続きが継続しますので、固定資産評価審査委員会よりも公正な判断が期待できます。

最高裁判所の判例も存在します

また、最高裁判所の判例も存在します。すなわち、平成17年7月11日の固定資産評価審査決定取消請求事件(事件番号窶鴛ス成14(行ヒ)181)では、最高裁判所第二小法廷は、「土地の所有者が、土地課税台帳に登録された平成6年度の登録価格を不服として、地方税法(平成11年法律第15号による改正前のもの)432条1項に基づき、東京都固定資産評価審査委員会に対し審査の申出をしたところ、東京都固定資産評価審査委員会が審査の申出を却下したので(本件決定)、土地の所有者が本件決定は違法であるとして、主位的に本件決定の全部取消しを、予備的に平成5年度の価格を超える部分の一部取消しを求めた事例」について、「固定資産課税台帳に登録された基準年度に係る賦課期日における土地の価格についての固定資産評価審査委員会の決定の取消訴訟において、裁判所が、同期日における当該土地の適正な時価又は固定資産評価基準によって決定される価格を認定し、同委員会の認定した価格が上記の適正な時価等を上回っていることを理由として同決定を取り消す場合には,同決定のうち上記の適正な時価等を超える部分を取り消せば足りる。」と判示しています。

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